商業出版社に採用率90%の企画書を持ち込む必殺技

商業出版で採用されるには企画が全てです。

Ⅰ はじめに

商業出版は、多くの著者にとって夢の実現であり、作品を広く読者に届ける手段です。しかし、その過程は決して簡単ではなく、多くの挑戦と忍耐を要します。商業出版を成功させるためには、単に優れた作品を書くことだけではなく、出版業界の仕組みや持ち込みのテクニックを理解し、効果的にアプローチすることが必要です。本記事では、商業出版における持ち込みの上手な方法について、詳細に解説します。

Ⅱ 商業出版の持ち込みの上手な仕方

1. 企画書の重要性と作成方法

(1)商業出版における企画書の役割

商業出版を目指す上で、企画書は非常に重要な役割を果たします。企画書は、編集者や出版社に対してあなたの作品の魅力や市場性を伝えるための重要なツールです。

(2)商業出版社の編集者の目に留まる企画書のポイント

タイトルとサブタイトルをつける時のポイント
①シンプルでキャッチーにする

ポイント:

  • タイトルはシンプルかつ印象的であるべきです。複雑な言葉や長いフレーズを避け、誰でも理解しやすい言葉を選びます。
  • キャッチーな表現を使って、一目で興味を引くことを目指します。

例:

  • タイトル:「成功の秘訣」
  • サブタイトル:「トップリーダーが教える実践的なビジネス戦略」
② 本の内容を明確に示す

ポイント:

  • タイトルとサブタイトルで本の内容やテーマが一目で分かるようにします。曖昧な表現ではなく、具体的な内容を伝えることが大切です。
  • 読者がどのような情報や価値を得られるかを示します。

例:

  • タイトル:「デジタルマーケティングの全貌」
  • サブタイトル:「成功事例と最新トレンドを網羅したガイドブック」
③ ターゲット読者を意識する

ポイント:

  • ターゲットとする読者層に響く言葉や表現を選びます。特定の読者層を意識したタイトルにすることで、関心を引きやすくなります。
  • 読者が自身に関連性があると感じるような言葉を使います。

例:

  • タイトル:「若手ビジネスマンのためのキャリアアップ術」
  • サブタイトル:「20代で成功するための実践ガイド」
④独自性を強調する

ポイント:

  • 自分の本が他の類似書籍とどう異なるのか、独自の視点や価値をタイトルやサブタイトルで強調します。
  • 他の本にはないユニークな要素をアピールします。

例:

  • タイトル:「ゼロから始めるスタートアップ」
  • サブタイトル:「成功者が語るリアルな体験とノウハウ」
⑤感情に訴える表現を使う

ポイント:

  • 読者の感情に訴える言葉やフレーズを使います。感動、驚き、興奮などの感情を引き起こす表現は、読者の関心を引きやすいです。
  • インパクトのある言葉を使い、記憶に残るタイトルを目指します。

例:

  • タイトル:「夢を叶える力」
  • サブタイトル:「成功するための心の持ち方と実践法」
⑥短く、覚えやすいタイトルにする

ポイント:

  • 商業出版の場合競合する本が多い可能性があります。その中で目立つにはタイトルは短く、覚えやすいものにします。長すぎるタイトルは読者にとって覚えにくく、印象に残りにくいです。
  • できれば5~7語以内でまとめると良いでしょう。

例:

  • タイトル:「時間管理の極意」
  • サブタイトル:「忙しいプロフェッショナルのための効果的なテクニック」
⑧資格や肩書きを活用する

ポイント:

  • 著者が持つ資格や肩書きを活用して、信頼性を高めます。特に専門性が高いテーマの場合、著者のバックグラウンドを示すことで説得力を増します。
  • サブタイトルに著者の資格や経験を簡単に加えると効果的です。

例:

  • タイトル:「健康寿命を延ばす方法」
  • サブタイトル:「医師が教える最新の健康習慣」
⑨実際の企画書タイトルとサブタイトルの例
  1. ビジネス書
    • タイトル:「企業成長の秘密」
    • サブタイトル:「一流経営者が実践する10の戦略」
  2. 自己啓発書
    • タイトル:「心を強くする習慣」
    • サブタイトル:「ストレスに負けないための科学的アプローチ」
  3. 健康・フィットネス書
    • タイトル:「シンプルな健康法」
    • サブタイトル:「日常に取り入れるだけで健康になる5つのステップ」
  4. 技術書
    • タイトル:「AI時代のプログラミング」
    • サブタイトル:「初心者からプロまでの道のり」
  5. 旅行ガイド
    • タイトル:「未踏の絶景」
    • サブタイトル:「隠れた名所と秘密のスポットを巡る旅」
概要は一目で企画書の内容が分かるように
1. 魅力的なフックで始める

商業出版社の編集者は非常に多忙です。彼、彼女に企画書を真面目に読んでもらうには、概要の最初の数文で彼らの興味を引くことが重要です。強烈なフックを使って、すぐに編集者の注意を引きましょう。

例: 「あなたのキャリアを劇的に変えるシンプルな戦略を知っていますか?この本は、成功を収めた起業家たちの実体験を基にした具体的なアドバイスを提供します。」

2. 本のテーマと目的を明確にする

本のテーマとそれが読者にとって何を意味するのかを明確に伝えます。読者が本から得られる価値を具体的に説明しましょう。

例: 「本書のテーマは、現代ビジネス環境におけるイノベーションの重要性です。読者は、本書を通じて新しいアイデアを実現するための具体的な手法を学ぶことができます。」

3. ターゲット読者を明示する

商業出版の本は誰に向けて書かれているのかを明確になっていることが重要です。それを示すことで、編集者がその市場性を評価しやすくなります。

例: 「この本は、起業家、ビジネスリーダー、および企業の成長を目指す全てのビジネスパーソンを対象としています。」

4. ユニークな視点やアプローチを強調する

自分の本が他の類似書籍とどう異なるのか、ユニークな視点やアプローチを強調します。差別化ポイントを明確に示すことで、編集者にとって興味深い存在となります。

例: 「本書は、デザイン思考を用いたビジネス戦略を初めて体系的に紹介するもので、従来のビジネス書とは一線を画します。」

5. 著者の背景と専門性をアピールする

著者自身の背景や専門性をアピールすることで、本の信頼性と価値を高めます。自分の経験や実績を簡潔に述べましょう。

例: 「著者は、20年以上にわたり大手コンサルティング会社でリーダーシップを発揮してきた実績を持ち、多くの企業の成長をサポートしてきました。」

6. 読者への期待効果を明示する

購入した人が本を読むことで得られる具体的な効果やメリットを明示します。読者が何を得ることができるのかを明確に伝えましょう。

例: 「本書を読むことで、読者は自らのビジネスに革新的なアイデアを導入し、競争力を高めるための具体的な方法を習得することができます。」

7. 明確で簡潔な言葉を使う

概要は簡潔で明瞭な言葉を使い、無駄な言葉を避けることが重要です。編集者がすぐに理解できるように、明確で分かりやすい表現を心掛けましょう。

  • 目次: 作品の構成や主要なテーマを示す目次を作成します。これにより、編集者は作品の流れを理解しやすくなります。
  • サンプルチャプター: 作品の一部を抜粋し、実際の文体やストーリーテリングのスキルを示しましょう。
  • 市場分析: 作品がターゲットとする市場や読者層についての分析を含めます。競合他社の作品や差別化ポイントについても触れましょう。
しっかりした市場分析で「売れること」を証明する
1.ターゲット市場の特定

調査の手順:

  • ジャンルの特定: まず、自分の作品がどのジャンルに属するかを明確にします。フィクション、ノンフィクション、ファンタジー、ミステリー、ビジネス書など、具体的なジャンルを決めます。
  • 読者層の特定: 次に、そのジャンルの主要な読者層を特定します。年齢、性別、職業、趣味など、細かい属性を分析します。

留意点:

  • 具体的な読者像: できるだけ具体的な読者像を描くことで、企画書の説得力が増します。例えば、「20代から30代のキャリア志向の女性」など。
2.市場分析を行う上でのポイント
  1. データの信頼性: 利用するデータや情報の信頼性を確認します。公式の統計データや信頼できる調査レポートを使用することが重要です。
  2. 読者視点: 常に読者の視点を意識し、読者が何を求めているか、どのような問題を解決したいかを考慮します。
  3. 継続的なリサーチ: 市場は常に変化しているため、継続的なリサーチが必要です。出版後も市場動向を追い続け、次のステップに役立てましょう。
3.ビジネス書市場の年間売上高を調べる方法

1⃣公的機関や業界団体のデータを利用する

日本出版協会や全米出版協会などの公的機関や業界団体が発表する統計データを参照することができます。これらのデータは信頼性が高く、ビジネス書市場の全体像を把握するのに役立ちます。

  • 日本出版協会: 日本出版協会のウェブサイトには、国内の出版市場に関する統計データやレポートが公開されています。

2⃣出版社や書店の販売データを分析する

出版社や大手書店の年間報告書やプレスリリースを参照することで、ビジネス書の売上動向を把握することができます。例えば、紀伊國屋書店や丸善ジュンク堂書店などの大手書店チェーンが発表するベストセラーランキングも有用です。

3⃣専門書籍を参照する

出版業界に関する専門書籍を参照することで、ビジネス書市場の売上高や動向について詳しい情報を得ることができます。以下にいくつかの参考書籍を示します。

  1. 『出版年鑑』
    • 出版業界全体のデータや動向が網羅されている年鑑で、ビジネス書を含む各ジャンルの売上データも掲載されています。
  2. 『本を売る技術』 by ジョン・タック・グレゴリー
    • 出版業界の最新トレンドやビジネスモデルについて詳述されており、ビジネス書市場の動向についても触れられています。
  3. 『データで見る出版業界の現状』 by 出版ニュース社
    • 出版業界に関する最新データやトレンドを提供する書籍で、ビジネス書市場の売上動向についても詳細に分析されています。
4⃣実際の調査手順の例

例えば、ビジネス書市場の年間売上高を調べる場合、以下の手順を踏むことができます。

  1. 日本出版協会のサイトを確認する
    • 日本出版協会のウェブサイトにアクセスし、最新の出版市場レポートをダウンロードします。
    • ビジネス書に関するデータが含まれているページを探し、年間売上高を確認します。
  2. 書店のベストセラーランキングを調べる
    • 紀伊國屋書店や丸善ジュンク堂書店のウェブサイトで、ビジネス書のベストセラーランキングを確認します。
    • 売上動向や人気のあるタイトルを把握します。
  3. 参考書籍を読む
    • 上記の専門書籍を購入または図書館で借りて読み、ビジネス書市場の動向についてさらに詳しく学びます。

これらの方法を組み合わせることで、ビジネス書市場の年間売上高や市場動向を詳細に把握することができます。

❹競合分析
1⃣調査の手順:
  • 競合作品の特定: 自分の作品と同じジャンル、テーマ、ターゲット読者を持つ競合作品をリストアップします。オンライン書店や図書館のデータベースを活用します。
  • レビューの分析: 競合作品の読者レビューを分析し、読者が何を評価し、何に不満を持っているかを調べます。
2⃣差別化ポイントの明確化
  • 強みと弱みの把握: 競合作品の強みと弱みを把握し、自分の作品の差別化ポイントを明確にします。例えば、「競合作品Aはストーリーテリングが優れているが、キャラクター描写が弱い」など。
  • 独自の強み:のアピール 自分の作品が競合作品とどのように異なり、どの点で優れているかを明確にします。例えば、独自の視点、特別な専門知識、ユニークなストーリーテリングなど。
  • 読者にとっての価値の明確化: 作品が読者にとってどのように価値があるか、具体的な訴求点を考えます。例えば、「この作品は現代社会の問題に対する深い洞察を提供する」など。

Ⅲ 出版社の選定とアプローチ方法

1)出版社のリサーチ

商業出版を成功させるためには、適切な出版社を選ぶことが重要です。以下のポイントを考慮してリサーチを行いましょう。

  • ジャンルと専門性: 出版社がどのジャンルに強みを持っているかを確認します。あなたの作品と相性が良い出版社を選びましょう。
  • 過去の出版物: 出版社が過去に出版した書籍を調べ、そのクオリティや販売実績を確認します。
  • 著者のフィードバック: 既存の著者からのフィードバックや評価を参考にし、出版社の評判を把握します。

アプローチの方法

  • パーソナライズされた提案書: 一般的な提案書ではなく、各出版社に合わせたパーソナライズされた提案書を作成します。
  • エージェントの利用: 出版エージェントを利用することで、出版社との交渉がスムーズに進むことがあります。エージェントは業界の知識と人脈を持っており、あなたの作品を効果的に売り込むサポートをしてくれます。
  • ネットワーキング: 出版業界のイベントやセミナーに参加し、直接出版社の担当者と接触する機会を増やしましょう。ネットワーキングを通じて、信頼関係を築くことが重要です。

Ⅳ 持ち込み時の効果的なプレゼンテーション

1)プレゼンテーションの準備

  • 練習とフィードバック: プレゼンテーションの前に、友人や同僚に対してリハーサルを行い、フィードバックをもらいましょう。
  • ビジュアルエイドの活用: スライドやビジュアルエイドを使用して、視覚的に魅力的なプレゼンテーションを作成します。
  • 時間管理: プレゼンテーションの時間を適切に管理し、重要なポイントを効率的に伝えるよう心がけます。

2)プレゼンテーションの内容

  • オープニング: 印象的なオープニングで聴衆の関心を引きます。あなたの作品がなぜ特別であるかを強調しましょう。
  • 作品の紹介: 作品の概要、テーマ、主要なキャラクターについて説明します。
  • 市場性とターゲット読者: 作品の市場性とターゲット読者について具体的に説明し、出版社が興味を持つようにします。
  • 著者としてのビジョン: あなたが著者としてのビジョンや目標を共有し、作品の将来性について話します。

Ⅴ 商業出版の持ち込みの上手な仕方の結論

商業出版の持ち込みは、一見するとハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、適切な準備と戦略を持ってアプローチすれば、その可能性は大いに広がります。重要なのは、企画書の作成、出版社の選定、そして効果的なプレゼンテーションです。これらをしっかりと準備し、自信を持って臨むことで、夢の実現に一歩近づくことができるでしょう。

Ⅵ 私たちには企画書は不要です

私たちクリエイティブ集団COW AND CATも常に原稿、企画を募集しています。しかし私たちにそれらを持ち込んでいただくとに気には、以上で挙げたような内容は不要です。企画書さえ要りません。あなたの「想い」「ジャスト・アイデア」だけでOK。その内容の潜在的な競争力を私たちがしっかり掘り起こします。そして「いける」と判断すれば、その本を「世界を変える」作品に仕上げる方法をことに近づけるための、企画のブラッシュアップ、構成の見直し、切り口の見直しもあなたと一緒に行います。

その流れはぜひこちらで確認してください。

またここでは触れませんでしたが、以上のようなポイントを全て押さえて企画を商業出版社に持ち込んでも、「著者買取」を要求される場合があります。その「著者買取」はほとんどの場合サギですから、できれば話に乗らない方がいいでしょう。私たちは「著者買取」を行いません。ただ出版する最低の経費として「5万円~」をいただくだけです。金額は私たちがどこまでお手伝いするかによって変わります。詳しくはこちらをご覧ください。

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ぜひお待ちしております。