商業出版でだまされないための出版社の見分け方ガイド

悪徳商業出版社から著者を守ります

Ⅰ はじめに

商業出版を目指す著者にとって、信頼できる出版社を見つけることは非常に重要です。しかし、出版業界には悪質な業者も存在し、だまされるリスクがあります。本記事では、商業出版でだまされないための出版社の見分け方を詳しく解説します。これを読むことで、安心して出版活動を進めるための知識を身につけましょう。

Ⅱ 商業出版とは?

商業出版とは、出版社が出版費用を負担し、書籍の販売を行う形式のことです。著者は印税を受け取ることができ、広範な読者に作品を届けることができます。しかし、商業出版を成功させるためには、信頼できる商業出版社を選ぶことが必須です。

Ⅲ 悪質な商業出版社の特徴

1 そもそも契約書を作成しない商業出版社

実は悪質な商業出版社で一番多い特徴がこれです。単に本を出します、ついては100万円負担してください。と言うだけです。つまり全て口頭で、印税の件も、サポート内容も全く「証拠」を残しません。それが彼らのやり口です。

ですから以下の項目に該当しないかを確認しましょう。、それを契約書の形で発行させることが何よりも重要です。

2 高額な費用を要求する

悪質な商業出版社は、著者に対して高額な出版費用を要求することが多いです。商業出版では通常、出版社が費用を負担します。ですから著者が費用を支払う必要はありません。しかし多くの部数が見込めない時や、持ち込みの原稿で、商業出版社側にリスクが大きい場合は違います。「著者買取」と称して数百万円を要求してくる場合があります。

しかし実際には「著者買取」で全出版費用が賄えてしまうのです。つまり商業出版社は1円も費用を負担しないで出版します。そして1冊でも売れれば全てが自社の利益になるのです。書店への配架費用に充てるため「著者買取」を頼んだとしましょう。しかし1冊も書店に出版した本が配架されていなかった、という例はよくあります。全国に1万店舗書店があるうち数十店舗しか配架されていなかった例もあります。

3 商業出版社の提示する契約内容が不明確

契約書に具体的な販売計画や印税の詳細が記載されていない場合は注意が必要です。悪質な商業出版社は、契約内容を曖昧にします。そして著者に不利な条件を押し付けることがあります。

特に悪徳な商業出版社が行う、出版契約書に関する手口は以下の通りです。

  • 印税に関する項目がない。印税率が明確に記載されていない。あっても初版から支払うと明記されていない。
  • 最低販売部数の記載がない。販売部数が妥当でも返本分の買い取りを著者がすると目立たないように書いてある。
  • 返本があった場合の裁断費用、保管倉庫費用、物流費用などが著者負担になっている。
  • 宣伝、販売促進を出版社があると書いてはある。しかし具体的な方法、期間、投資費用、回数などが明記されていない。

真っ当な出版社は著者の負担が発生する場合でも、それを全部開示します。項目ごとにいくらの費用がかかるのか、と言う点を明確にサイトなどに掲載しています。

4 商業出版社としての実績が乏しい

老舗の出版社だから安心、新興の出版社は不安、と言う一律の判断はできません。ただ、過去の出版実績が全くない。あってもAmazonなどに掲載がない。掲載していても説明文が手抜きである。SNSなどで悪い口コミが多い。などの商業出版社は避けるべきです。

インターネットで商業出版社の評判を調べることも有効です。

5 サポート体制が不十分

真っ当な商業出版社は著者に対して以下のサポートを行います。

①企画書作成サポート

多くの出版社はその本を出版すべきかについて会議で決定します。その際に「企画書」の提案を著者に求めて来ます。真っ当な商業出版社の場合は、担当がその内容についてアドバイスします。

②編集サポート

原稿の校正、編集、構成を出版社側の責任で行い、作品の質を向上させます。

③デザインサポート

表紙デザインやレイアウトの作成を出版社側の責任で行います。特に電子書籍の場合は売上に表紙が与える影響は非常に大きいです。

④印刷サポート

印刷工程の管理を行い、高品質な印刷物を提供します。

⑤流通サポート

全国の書店やオンライン書店への流通を手配し、広範な販売網を確保します。

⑤宣伝

広告、イベントなの企画を著者に提案し、実施して、本の認知度を高めます。

⑥マーケティングサポート

主な読者層とそのニーズを担当者の経験から伝えます。リアルな数字も提示し、原稿の内容をそれ沿ったものにするようにアドバイスします。

⑦著作権管理・保護

著者に出版する書籍の著作権があることを契約書上に明示します。そして著作権の保護をサポートし、著者の権利を守ります。また出版する本の中に他社の著作権に抵触する部分がないかをチェックします。ある場合はその著作権保持者からの使用許可を取ります。

⑧契約管理

印税や販売契約の管理を行い、著者が適正な報酬を受け取れるようにします。

⑨デジタル出版サポート

紙の書籍の出版と電子書籍の制作や配信をセットで考えます。デジタル市場での販売を支援します。

⑩フィードバック提供

読者や書店からのフィードバックを収集し、著者に提供します。

しかし悪徳な商業出版社は、そもそも以上について契約書にも記載せず、最低線である担当による口頭の説明をしません。ただし、注意が必要なのは、担当者が口頭で約束しながら、後になって実施されていないと抗議しても、そんなことは約束していない、別費用となるなどと言ってうやむやにされる場合も多いと言うことです。ですから上記については、全て契約書に記載させるようにしましょう。でも言及がない、事前に契約書に記載がない、契約書に記載した頻度で行われないなどのことがあり得ます。

6 虚偽の情報を提供する

悪質な商業出版社は、実在の商業出版社に似た名称やロゴを使用したり、著名な研究者を無断で編集委員として掲載し、実在の商業出版社に似た名称やロゴを使用していました。これにより、多くの著者が騙されて契約を結びましたが、実際には書籍の販売がほとんど行われず、著者に対する印税も支払われませんでした

7 連絡先や所在地が不明確

商業出版社の所在地や連絡先が記載されていない、または偽った情報が記載されている場合は注意が必要です。信頼できる商業出版社は、明確な連絡先と所在地を公開しています。ですから、一度こちらから「固定電話に連絡するか、必要であれば会社の登記簿を最寄りの登記所で取り、「存在していること」を確認しましょう。登記簿の取り方はこちらの法務省のサイトをご覧ください。

同時にAmazonでその会社名を検索し、確かにその出版社が本を何冊か出している、ということも確認が必要です。

8 しつこい勧誘

悪質な商業出版社は、メールや電話で執拗に出版を勧誘することが多いです。それも著者の本を巧妙にホメて、出版すれば絶対にベストセラーになる、と言わんばかりの内容で説得してきます。しかしそれらはすべて「セールストーク」だということを肝に命じましょう。信頼できる商業出版社は、著者の出版の意思を尊重します。同時に筆者の金銭的負担が必要な場合でも、著者の生活から推し量って無理な金額を請求しません。あるいは分割での支払いなど、著者の立場で可能な方法を提案します。また当然、一方的にまくしたてる、今日この場で決めていただければ1割引きにする、などの無理な勧誘を行いません。

9 ウェブサイトの質が低い

悪質な商業出版社のウェブサイトには、誤字や文法の誤りが多く、いかにも費用をかけないで形だけ作ったというものが多いです。もちろん中には自社で、あるいは個人経営の出版社であれば自分で作成している場合もあります。その場合は、何百万円も使って作成したサイトに比べれば見劣りするかも知れません。しかし「きれいすぎる」サイトの場合も用心が必要なのです。

サイトを判断する時に1番信頼できるポイントは、著者が知りたいと思う情報を「全て」開示しているかどうか。「ここから先の細かいことは面談で」などと言うサイトは絶対に悪徳です。面談した時に、上手く丸め込もうとしているのです。ですから「一度伺ってお話を」という出版社は絶対に断りましょう。

また特にサイトの中の「経営方針」「VISION」などのページを確認してください。悪徳出版社もキレイことを書いています(サイト作成を外注していますから、形をカッコよく整えるのは得意のなのです)。しかし真っ当な出版社は、他社で書かないような内容で、なおかつ出版に対する誠実さと熱意を感じるとることができるはずです。

Ⅳ 信頼できる商業出版社の見分け方

上記は出版社の業務内容や契約内容のうち確認すべき点を挙げたものです。それ以外にこの商業出版社が信頼できるかどうかも、以下の方法で確認しましょう。

1. 実績と評判

  • 過去の出版実績: 商業出版社のホームページやカタログを確認し、どのような本を出版しているかをチェックします。特にベストセラーや受賞歴のある本が多い商業出版社は信頼性が高いです。またそのような本がない場合でも、出版書籍一覧などのページでの、説明文の詳しさやこだわりについてどこまで書いているか、と言う点も見るべき点です。
  • 評判: 著者や読者からの評価を調べることも重要です。オンラインレビューやSNS(特にX)での評判を確認しましょう。

2. 編集者の質

  • 担当となる編集担当者がどの程度出版業界について詳しいか。「売れる本」あるいはその商業出版社にとって「出したい本」について雄弁に語れるか。さらには電話やオンラインミーティング、面談などで「この人は信頼できそう」だという直感が働くか。
  • 編集担当者とは出版するまでの長い付き合いになりますし、その質によって良い本になるかどうかが決まる要素も大きいです。ですから編集担当者の質を確認しましょう。

3. 販促サポート

  • 宣伝活動: 出版後の宣伝活動にどれだけ資金を投入しているかも重要です。新聞広告、SNS広告、書店でのディスプレイ広告など、さまざまな宣伝施策を実施している商業出版社は、あなたの本にそれだけ投資するのですから、それだけ向こうも真剣だと言うことが確認できます。
  • ただし個人で経営している商業出版社などの場合は、宣伝に投じられる予算がとれない可能性もありますので、その場合にどのようにお金を使わずに認知をとって行くか、ということを著者の活動として提案して来る出版社や、費用対効果の高い宣伝方法を見つけ出して、著者と出版社で費用を折半して実施することを提案する、といった出版社も信頼できるでしょう。。

4. 費用と契約条件

  • 費用の透明性: 出版にかかる費用を項目ごとに提示されているかを確認します。隠れた費用がないか、契約条件が明確であるかをチェックしましょう。
  • 契約条件: 著作権の扱いやロイヤリティの分配など、契約条件が公正であるかを確認します。

5. 専門分野

  • 得意ジャンル: 自分が出版したいジャンルに特化している商業出版社を選ぶことも重要です。専門分野に強い商業出版社は、その分野での経験やネットワークを活かして、より良い本を作るサポートをしてくれます。

Ⅴ 良い商業出版社との出会いは、あなたの本を素晴らしいものにする

1 せっかくの出版の夢も悪徳業者にひっかかると台無し

商業出版に限らず、自分の本を出すのは大変すばらしい夢であり、社会的に価値のあることです。

しかし悪徳出版社にだまされて、数百万円を支払っても、1冊の本も出版されなかった、という例も私たちのお客様の中にはおられます。

決して個人にとっては少なくない金額を使う以上、だまされないように万全を期して取り組むことをぜひお勧めします。

2 ぜひ最低5万円の費用で、しっかりとした出版ができる私たちにご相談ください

私たちクリエイティブ集団COW AND CATは担当者は20年は著者側として、その後の10年は編集者側として出版に関わって来ました。ですから両方の立ち場も希望もよく分かります。そのために、最低5万円の費用で、それも含めて費用は全てガラス張りの出版サポート会社を立ち上げたのです。

ですからどのような内容のものであろうと対応できます。また、現在アイデア段階でも、原稿化までできている段階でも、それに応じた出版サポートができます。どのようにサポートするのか、その費用は、と言うことはこちらの公式サイト(費用面サポート面)をご覧ください。

また、出版についてのご相談、原稿のお持ち込みはこちらのフォームよりお願いいたします。

ぜひ著者も、読者様も、そして出版社も全員が幸せになれるWIN-WIN-WINの出版をしてみませんか。

Follow me!