商業出版までのプロセスと私の実体験

はじめに

商業出版に採用されることは、多くの作家にとって夢のような出来事です。自分の書いた作品が出版社に認められ、世に出ること。それにより多くの読者に届けられる喜びは計り知れません。

しかし、商業出版には独特のプロセスとリスクが伴います。このガイドでは、商業出版に採用されるためのポイントを解説します。加えてその時のリスクもを詳しく解説し、著者が成功するための手助けをします。

商業出版に採用されるためのステップ

1. 魅力的な企画書を作成する

商業出版に採用されるための第一歩は、魅力的な企画書を作成することです。企画書には、以下の要素が含まれている必要があります。

  • 作品の概要:主要なプロットとテーマ。
  • ターゲット読者層:どのような読者を想定しているのか。
  • 著者のプロフィール:著者の経歴や執筆経験。
  • 市場調査:類似作品とその市場での成功例。

しかし商業出版社によっては、著者の販売力も非常に重視します。SNSのフォロワーが何人いるか。著者自身が何かの教室で講座を持ち多くの生徒を持っているか。有名人の知り合いがいるか、などです。

2. 出版社へのアプローチ

次に、企画書を基に出版社へアプローチします。多くの出版社は、サイトで投稿ガイドラインを提供しています。それに従って投稿しましょう。また、エージェントを利用することも有効です。エージェントは出版社とのコネクションを持っています。利用すれば投稿が採用される確率を高めてくれます。

ただし当然費用はかかります。エージェントによって最初にまとまった額を支払うことがほとんどです。中には成功報酬として採用された場合に支払うエージェントもいます。

3. 契約交渉

出版社からの採用通知を受けたら、契約交渉に移ります。契約内容には、著作権、印税率、販売戦略などが含まれます。細部まで確認し、納得のいく契約を結ぶことが重要です。

しかしこのステップを踏まない商業出版社も多いのも事実です。しつこく要求すると、契約書を出してきますが、肝心のことが曖昧な場合も多いです。たとえば「両者で検討する」という文言になっていて意味がない、というケースです。

商業出版のリスク

著者買取のリスク

一部の商業出版社は著者に自費で本を購入することを要求する場合があります。これは「著者買取」と呼ばれ、多額の費用がかかることがあります。例えば、何百部かを著者が購入し、数十万円から数百万円を支払うようなことです。

悪質な出版社の存在

一部の出版社は、著者に知識がないことへ付け込みます。そして高額な費用を請求することがあります。以下は、具体的な事例です。

  1. 事例1
    • 出版社の提案:初版の300部を購入することで出版を約束。
    • 金額:150万円。
    • 結果:実際に販売された部数はわずか100部。
  2. 事例2
    • 出版社の提案:宣伝費用として50万円の支払いを要求。
    • 金額:50万円。
    • 結果:宣伝といっても書店向けに月1回送るFAXの隅に載せるだけ。販売部数も伸びなかった。
  3. 事例3
    • 出版社の提案:電子書籍の出版を前提に、フォーマット変換費用として20万円を要求。
    • 金額:20万円。
    • 結果:電子書籍はリリースされた。しかし構成、企画などは手伝ってくれなかった。結局素人の自分がすることになり全く売れなかった。

商業出版の成功のためのポイント

実績のある出版社を選ぶ

信頼性の高い出版社を選ぶことが重要です。実績や評判を調査し、他の著者のレビューを確認しましょう。

契約内容をしっかり確認する

契約書の内容を細部まで確認し、不明点があれば弁護士に相談することをおすすめします。特に著者買取や追加費用に関する条項は注意が必要です。

ネットワーキングと自己PR

出版業界でのネットワークを作ることも非常に重要です。業界イベントに参加したり、SNSでの自己PRを行うことで、出版社とのコネクションを築きましょう。

私の商業出版社体験

商業出版の夢を追いかける多くの著者にとって、出版社からの採用通知は大きな喜びです。しかし、その背後には予期しないリスクや不正行為が潜んでいることもあります。そこで以下の説では、私が商業出版のために企画書を提出したものの、著者買取を300万円請求され、その後自分で出版社を設立するまでの具体的な体験談を紹介します。

著者買取の罠

企画書提出と出版社からの通知

私あは、数年にわたって執筆してきたある分野の論文をまとめて商業出版したいと考え、ある商業出版社に打診しました。

するとすでに原稿もできていたのですが、その出版社の担当から企画書を書くようにと指示されました。そうしないと企画会議に出せないから、ということでした。

そこで私は熱意を込めて企画書を作成しました。その企画書は、作品の概要、ターゲット読者層、私のプロフィール、市場調査を含む詳細なものでした。幸運にも、その出版社から前向きな返事が届きました。出版社は、著者の作品を高く評価し、出版を提案してきました。

著者買取の要求

しかし、担当者は商業出版をする条件として驚くべきことを示してきました。出版に際して300万円分を著者買取することを要求してきたのです。具体的に初版のうち300冊を著者自身が購入することで、出版が確約されるというものでした。なぜ1冊1万円の計算になるのかと質問しても、単に印刷するだけではなくほかの経費が乗るからとしか説明されませんでした。

著者の疑念

この要求に対して私は強い疑念を抱きました。

なぜなら、300万円という金額は非常に高額であり、この支払いによって出版社は出版費用をほぼ全額賄うことができるからです。実際に、調べてみると一般的に300万円の費用を払えば出版費用、書店への配架費用なども賄うことが可能だとことも分かりました。

つまり出版社側は、自分たちもコストを負担するような振りをしながら、実際にはリスクもコストもがゼロで出版しようとしていたのです。そして私の本が売れた場合、その売り上げは全て利益になるのです。

これはまさに「詐欺」に等しいと私は考えました。

出版社設立へ

出版社設立の準備

この状況に失望した私は、商業出版の夢を諦めることなく、新たな方法を模索しました。自費出版社に頼む選択肢もありましたが、それでは本を流通に乗せて販売することができません。従って最初から選択肢には入れませんでした。

そして検討の結果、大胆なようですが自分で出版社の設立することを決意しました。それがクリエイティブ集団COW AND CATです。出版社と言っても別に事務所も借りませんし、人も雇いません。原稿を印刷用の形式に変換すること、表紙を外部に依頼すること、装丁すること、ISBNという出版のためのコードを有料でとることなどを全部自分で行い、印刷と販売だけAmazonのシステムを借りるというものです。

これであれば自分で出版プロセスをコントロールし、本当に必要な費用だけをかける透明性のある出版を実現できると思ったのです。

初の出版と成功

私はは、自ら設立した出版社から最初の作品を出版しました。「戦う女と媚び倒す女」という本です。特に宣伝も打ちませんでしたが、売れ行きは順調で、利益も出ました。

そのまま自分の原稿だけを出版していく方法もありましたが、自分と同じように商業出版をしようとして詐欺に合っている人がたくさんいるということを考え、そういう人を救いたいと思いました。そのため、自分の原稿だけではなく、他の人の原稿も本当に必要な経費だけいただいて格安の料金で商業出版する、ということも始めました。

その出版事業を自社のサイトに載せたところ、すぐに何件か相談があり、私1人しか担当がいないので、順番に時間をかけながら、出版し、それらの本も大ヒットはしませんが、少しづつ売れるようになりました。

これが私自身が辿り着いた、「著者買取」などのサギに合わずに「商業出版」で自分の原稿を出版する方法です。

結論

商業出版に採用されることは、作家にとって大きな達成感とともに多くの機会をもたらします。しかし、リスクも伴うため、十分な準備と注意が必要です。私の場合は「自分で出版社を作る」という方法で、そのリスクヘッジをしましたが、当然、善良な商業出版社を探す、という方法もあるでしょう。

本記事で紹介したポイントや事例を参考に、慎重に計画を立てて成功を目指しましょう。

またもしも「著者買取」が絶対になく、かつ必要に応じて企画や構成の相談にも乗ってくれ、費用はガラス張りで最低5万円から「商業出版」を行っている出版社に興味がある場合、相談したい場合は、ぜひ私のクリエイティブ集団COW AND CATまで、ここからご連絡ください。ご相談だけであればもちろん無料です。

また相談する前に、出版方法や私がするサポート別の費用などについて知りたい方は、こちらからご確認ください。

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