「商業出版」の光と影

作家として憧れの商業出版で本を出すことは、多くの人にとって夢のような目標です。しかし、近年は出版不況の影響を受け、商業出版へのハードルはますます高くなっています。

しかも、商業出版の裏側には、華やかな表舞台からは想像できない様々なリスクやデメリットが存在します。

1. 商業出版: 華やかな表舞台の裏側

1.1 商業出版とは?

商業出版とは、出版社が企画・編集・制作・流通・販売までをすべて担当し、書店などに書籍を流通させる出版形態です。著者にとっては、自分の作品を多くの人に読んでもらうための絶好の機会となります。

1.2 商業出版の主な特徴

  • 高い知名度と信頼性: 出版社による審査をクリアした本は、書店や図書館に並び、高い知名度と信頼性を得ることができます。
  • 幅広い販路: 全国約1万店以上と言われる書店をはじめ、インターネット通販サイト、電子書籍ストアなど、幅広い販路を通じて販売されます。
  • プロによる編集サポート: ベテラン編集者による緻密な編集を受けることで、作品の質を高めることができます。
  • 宣伝・マーケティングサポート: 出版社が積極的に宣伝・マーケティング活動を行い、作品を多くの人に認知してもらえます。

2. 商業出版: 魅惑的なメリット

2.1 作家としての知名度を上げることができる

商業出版で本を出すことは、作家としての知名度を大きく上げるチャンスです。書店やメディアで取り上げられることで、多くの人の目に触れる機会が増え、新たなファンを獲得することができます。

2.2 収入を得ることができる

商業出版で本が売れれば、印税という形で収入を得ることができます。印税率は一般的に5%程度ですが、売れ行き好調な作品であれば、数十万円、数百万円の収入を得ることも可能です。

2.3 信頼できる編集者と仕事ができる

商業出版では、豊富な経験と専門知識を持つ編集者と仕事をすることができます。編集者との密接なコミュニケーションを通じて、作品をより良いものへと磨き上げることができます。

2.4 多くの読者に作品を読んでもらうことができる

商業出版は、書店や図書館などを通じて多くの人に作品を読んでもらうことができます。読者からの感想や評価を得ることで、今後の創作活動の糧にすることができます。

3. 商業出版: 知っておくべき落とし穴

3.1 審査を通過するのが難しい

商業出版は、出版社による厳しい審査をクリアする必要があります。企画書や原稿の内容、著者の知名度など、様々なハードルを乗り越えなければ、出版することはできません。

3.2 自分の思い通りに作品を仕上げられない

商業出版では、編集者との摺り合わせ作業が必要となり、必ずしも自分の思い通りの作品に仕上がるわけではありません。場合によっては、大幅な改稿を求められることもあります。

3.3 印税収入は限られている

商業出版で得られる印税収入は、売れ行きによって大きく左右されます。ベストセラーになるような作品でなければ、生活費を稼ぐのは難しいのが現状です。

また出版社によっては「初版は印税なし」と言うところもあるので要注意です。

3.4 出版までに時間がかかる

商業出版では、企画立案から出版まで数ヶ月から数年かかることもあります。長い時間をかけて作品を磨き上げ、出版社との交渉を進めていく必要があります。

3.5 「著者買取」と言う落とし穴

3.5.1 著者側のリスクが大きい

商業出版の裏側には、「著者買取」というシステムが存在します。著者買取とは、出版社が出版した書籍の一部を著者自身が買い取ることを条件に、出版してくれるというものです。金額は200~400万円と言うケースが多いようです。

自分が多少の負担をすれば出版してくれるということで、著者の願いを実現する手法のようですが、著者買取には多くのデメリットが潜んでいます。

  • 赤字になる可能性が高い: 買取部数を販売しても、その売上金額が買取価格よりも少ない場合、赤字になってしまいます。
  • 在庫リスクを抱える: 買取部数を販売できなければ、在庫を抱えることになり、さらに損失が拡大します。
  • 印税収入が減る: 買取部数分は印税の対象とならないため、印税収入が減ってしまう可能性があります。
  • 販売努力が義務付けられる: 場合によっては、著者自身が積極的に販売活動を行うことが義務付けられる場合があります。

著者買取に関するトラブルは、ブログや口コミサイトで多数報告されています。

  • 説明不足: 出版社から十分な説明を受けずに、著者買取の契約をしてしまったというケース
  • 理不尽な要求: 出版社から一方的に買取部数の追加や値下げを要求されたというケース
  • 在庫の押し売り: 売れ残った在庫を著者自身が買い取るよう要求されたケース

3.5.2「著者買取」は著者を食い物にするビジネス

「著者買取」は総原価より多く請求される?

以下は私が著者として商業出版ができないかといろいろな出版社に話を持ち込んだ時の実体験をもとにしています。

全ての商業出版社ではありませんが、この「著者買取」で出版希望者をサギにかけているケースも少なからずあります。

どういうことかと言うと、商業出版に著者が持ち込みをし、出版社があまり売れそうもないと判断した場合に来れは起こります。

通常であれば出版を断る、と言うことになりますが、そこをいかにも「ぜひ出版したいのだが、我々もリスクが大きいことはできない」と自分たちを信じさせたうえで、著者買取を依頼して来ます。このような本は通常1000冊程度の初版部数です。それを仮に1500円で売ったとした場合、原価は1000円です。従って総費用は1000円✕1000部=100万円です。

しかし出版社は300万円の「著者買取」を要求するのです。これだけでもサギだと分かりますよね。つまり「著者買取」で原価は十分回収できてしまうのです。そして1冊でも売れればそれは売上=丸々出版社の利益、ということになります。

出版部数さえウソをつく会社も

さらに悪どい会社は、1000部印刷する約束で300部しかしないことさえあります。この場合、原価は1000円✕300部ですから30万円です。これで「著者買取」300万円を要求すれば、出版社の利益は270万円です。

つまり「著者買取」とは「実態のない出版話」で著者をダマして儲けるというものです。はっきり言ってサギです。

私は幸い、完全に引っかかる前に、相手手を切ることができました。300万円の使途を追及して、相手からまともな答えがなかったのです。それで「おかしい」と思って、やめましたので実害はありませんでした。しかしまんまと「著者買取」だまし取られた話は、ネット上にあふれています。

3.5.3 著者買取のリアルな声: ブログや口コミサイトからの情報

具体的にその声をいくつか拾ってみましょう。

  • 「出版したい」という強い気持ちにつけ込まれた
  • 著者買取の仕組みを理解していなかった
  • 出版社から一方的に条件を押し付けられた
  • 販売努力が義務付けられ、多忙な生活の中で負担になった
  • 印税収入が期待よりかなり低く、赤字になった
  • 在庫を抱え、金銭的な損失を被った
  • 出版後も不安やプレッシャーを感じ続けている

上記のようなトラブルは決して珍しいものではありません。商業出版の場合は著者買取のリスクについても十分に理解しておくことが大切です。

3.6 出版社との契約内容をしっかりと確認する

サギから自分を守るには、出版社との契約内容をしっかりと確認することが重要です。以下のような点に特に注意しましょう。とは言え、事前に契約を結ぶ出版社は限りなく少数です。確かにそれが出版界の慣行と言う部分もあります。しかしダマされないためにまず契約を結ぶこと。内容を以下の点について精査することが重要です。

  • 印税率
  • 出版部数
  • 売れ残りリスク
  • 改稿権
  • 宣伝・マーケティング活動
  • 契約期間
  • 解約条件

契約書は難しい言葉で書かれていますが、内容をしっかりと理解することが重要です。わからない点があれば、弁護士や専門家に相談することもおすすめします。

3.7 商業出版の成功は約束されていない

上記で紹介したように、商業出版は決して楽な道ではありません。出版社による厳しい審査をクリアし、編集者と綿密にコミュニケーションを取り、良質な作品を仕上げる必要があります。しかし、いくら努力しても、必ずしも売れるとは限りません。

近年は電子書籍の台頭により、紙の本の売上が減少傾向にあります。また、出版不況の影響を受け、出版社全体の予算が縮小しているため、新人作家の作品が出版される機会も減っています。

商業出版で成功するためには、優れた作品であることはもちろん、運やタイミングも必要です。華やかなイメージとは裏腹に、厳しい競争と不確実性にさらされるのが商業出版の現実と言えるでしょう。

3.8 自分に合った出版方法を選ぶ

最終的には、自分がどのような作品を作りたいのか、どのような目標を持っているのかを踏まえ、自分に合った出版方法を選ぶことが重要です。

3.9 情報発信

近年は、インターネットやSNSを通じて情報発信する作家が増えています。ブログやSNSを有効活用することで、読者との交流を深め、作品の認知度を高めることも重要です。また「note」などネット上の原稿掲示・有料読書などのサイトに自分の原稿を掲載して、ファンを増やすことも大切です。

まとめ

いかがですか。商業出版は、はっきり言って魔窟のようなものです。出版社主催の賞でも獲得して、そのまま出版というコースでもない限り(これでも、同様のサギは起こっています。たとえば10万円の賞金をもらって、出版する時には「著者買取」を300万円取られるのです)安心して任せられないでしょう。

そういうことで「誰を信じていいのか分からない」と言う場合は、ぜひ私たち「クリエイティブ集団COW AND CAT」にご相談ください。最低価格5万円で、料金はガラス張りです。当然契約も事前に結びますし、印税は一般の倍の10%お渡しします。そして何より、絶対にサギ的なことはしない。著者に寄り添ってよい本を作る。ということを心がけていますから、安心してお任せいただけます。

まずはお話だけでもお聞かせいただき、私たちが信じるに値するか、と言う点を直接ご確認いただければと思います。

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です。内容についてのご相談でも結構です。本音で原稿の修正点、構成、設定などについても、忌憚なくご指摘させていただきます。もちろん無料です。