自分で原稿を「本」の形にする方法:企画と構成
1 はじめに
自分の主張や、頭に浮かぶ物語を本として出版し、多くの人に伝えたいと思ったことはありませんか。
本を出版すること自体はお金を出せば簡単です。ネットで自費出版や商業出版のサイトを探し、出版の依頼をすればいいだけです。
問題はその主張や物語をどのような「内容」で書籍にすればいいのか、という点です。
その最もじゅうようなものの1つが「企画」と「構成」です。
ここでは自分の想いやアイデアをどのようにこの2つにして行けばいいのか、ということをお伝えしようと思いましす。
2 なぜ企画と構成が重要なのか
本を書く上で、企画と構成をしっかり考えることは、内容の質を高めるだけでなく、売上にも大きな影響を与えます。
2.1 企画と構成が重要な理由
- 内容的な点:
- 一貫性の確保: 企画と構成を明確にすることで、内容に一貫性が生まれ、読者が迷わずに読み進めることができます。
- 読者の満足度向上: 読者のニーズや関心を踏まえて企画を立てることで、読者にとって価値のある情報を提供でき、満足度が高まります。
- 効率的な執筆: 構成が明確であれば、執筆の際に迷いが少なくなり、効率的に原稿を完成させることができます。
- 売上的な点:
- ターゲット読者の明確化: 明確な企画を立てることで、ターゲット読者層が明確になり、効果的なマーケティングが可能となります。
- 市場のニーズに応える: 市場調査に基づいて企画を立てることで、読者の求めるテーマに沿った本を出版でき、売上が期待できます。
- 差別化戦略: 競合分析を行い、差別化ポイントを明確にすることで、他の本と比べて選ばれる理由が明確になり、販売促進につながります。
3 テーマ設定の方法
本を書く上での企画の大前提となるテーマ設定について詳しく解説します。
3.1 自分の強みと興味の洗い出し
まず、自分がどんな分野で強みを持っているか、どのようなテーマに興味があるかを洗い出します。
- 自己分析:
- 自分の専門知識や経験をリストアップします。
- 例: 「ビジネス効率化の経験」「自己啓発に関する知識」
- 興味のあるテーマ:
- 自分が情熱を持って取り組めるテーマを考えます。
- 例: 「最新のテクノロジー活用」「時間管理のテクニック」
3.2 市場調査
市場でどのようなテーマが求められているかを調査します。
- オンライン書店の分析:
- ツール: Amazon、Goodreads
- 手順:
- Amazonのベストセラーリストを確認し、どのジャンルが人気かを調べます。
- Goodreadsで同様に、読者の評価が高い書籍をリストアップします。
- 読者レビューの分析:
- 競合書籍のレビューを読み、読者が特に満足している点、不満に感じている点を把握します。
- 例: 「この本には具体的な事例が少ない」「最新の情報が欠けている」
3.3 ニーズの確認
ターゲット読者のニーズを具体的に把握するためにアンケートやインタビューを実施します。
- アンケート作成:
- ツール: Googleフォーム、SurveyMonkey
- 質問例:
- 「どのようなビジネス効率化に関する情報が欲しいですか?」
- 「最近読んだ本の中で特に役立った内容は何ですか?」
- 費用:
- Googleフォームは無料。
- SurveyMonkeyは無料プランと有料プラン(月額1500円程度)があります。
- インタビューの実施:
- 直接ターゲット読者層にインタビューを行い、具体的なニーズを聞き出します。
- 例: 「仕事で直面している最大の課題は何ですか?」
3.4 Googleフォームの具体的な手順
Googleフォームを使ってアンケートを作成する具体的な手順を紹介します。
1. Googleアカウントにログイン
- Googleアカウントにログインし、Googleドライブにアクセスします。
2. 新しいフォームを作成
- 手順:
- Googleドライブの左上にある「新規」をクリックします。
- ドロップダウンメニューから「Googleフォーム」を選択します。
3. フォームの設定
- タイトルと説明:
- フォームのタイトルを設定します。
- 例: 「ビジネス効率化に関するアンケート」
- フォームの説明文を記入し、アンケートの目的や回答者への感謝の言葉を入れます。
4. 質問を追加
- 質問の種類:
- Googleフォームには様々な質問形式があります(複数選択、単一選択、記述式など)。
- 目的に合わせて質問形式を選択します。
- 質問内容:
- 例:
- 単一選択: 「あなたの職業を教えてください」
- 複数選択: 「以下の中であなたが興味を持っているトピックを選んでください」
- 記述式: 「最近読んだ本の中で特に役立った内容を教えてください」
- 例:
5. フォームのカスタマイズ
- テーマの変更:
- フォームのデザインを変更して、見やすくします。
- 右上のパレットアイコンをクリックして、テーマを選択します。
6. フォームの設定
- 送信設定:
- フォーム右上の歯車アイコンをクリックして、設定を開きます。
- 回答の収集方法や、回答者への通知方法を設定します。
7. フォームの共有
- リンクの生成:
- フォーム右上の「送信」をクリックします。
- 「リンクをコピー」を選択して、アンケートフォームのURLを取得します。
- 共有方法:
- ソーシャルメディアやメールでリンクを共有します。
- ターゲット読者に向けてアンケートを広めます。
8. 回答の収集と分析
- 回答の確認:
- Googleフォームの「回答」タブで、収集した回答を確認します。
- 必要に応じて、Googleスプレッドシートにエクスポートして詳細な分析を行います。
4 テーマの絞り込み
得られた情報を基に、具体的なテーマを絞り込みます。
- テーマの具体化:
- 複数の候補から、自分の強みと市場のニーズが一致するテーマを選びます。
- 例: 「ビジネスパーソン向けの最新テクノロジーを活用した仕事効率化術」
- サブテーマの設定:
- メインテーマに関連するサブテーマを設定し、書籍の全体像を明確にします。
- 例: 「時間管理の方法」「タスク管理ツールの使い方」「集中力を高めるテクニック」
5 構成作成
5.1 目次作成
書籍全体の構成を決めるために、詳細な目次を作成します。
- 大章の設定:
- 例: 第1章「時間管理の基本」、第2章「効率的なタスク管理ツール」
- 各章の内容決定:
- 各章で取り上げる具体的なトピックをリストアップします。
- 例: 第1章「時間管理の基本」
- 1.1 効果的なスケジューリング
- 1.2 優先順位の付け方
- 1.3 時間泥棒を避ける方法
5.2 各章の概要作成
各章の目的と主要ポイントをまとめます。
- 章の目的:
- 例: 第1章の目的は、読者が自分の時間を効率的に管理できるようになること。
- 主要ポイント:
- 例: 効果的なスケジューリング方法、優先順位の付け方、時間泥棒を避ける具体的なテクニック。
5.3 詳細な内容構成
各章の内容をさらに詳細に構成します。
- 段落構成:
- 各章を段落ごとに分けて、具体的な内容を記載します。
- 例: 1.1 効果的なスケジューリング
- イントロダクション: スケジューリングの重要性
- 方法論1: タイムブロッキング
- 方法論2: ポモドーロテクニック
- 実践例: 実際のスケジューリング例
- サブセクション:
- 必要に応じて、各章をさらにサブセクションに分けて詳細な説明を追加します。
5.4 視覚要素の計画
図表やイラスト、箇条書きなどを使って、読者が理解しやすいように視覚的に工夫します。
- 図表の挿入:
- 複雑な内容を図や表にして視覚的に説明します。
- 例: 時間管理のマトリックス図
- イラストやアイコン:
- 内容を視覚的に補完するためのイラストやアイコンを用意します。
6. 章末のまとめ
各章の最後に要点をまとめ、読者が重要なポイントを復習できるようにします。
- まとめのセクション:
- 例: 「第1章のまとめ」
- スケジューリングの重要性を再確認
- 効果的なスケジューリング方法の再確認
- 今後のアクションプランの提示
- 例: 「第1章のまとめ」
7.実例
以下に、企画と構成が非常に良かったためにヒットした日本の本を3つ挙げ、その企画と構成のポイントについて詳しく説明します。
『嫌われる勇気』 – 岸見一郎、古賀史健
企画のポイント
- テーマ設定: 「アドラー心理学による自己啓発」
- アドラー心理学という、まだ広く知られていないが非常に有用な心理学をテーマに設定。
- 市場調査: 日本ではアドラー心理学はあまり普及していなかったが、自己啓発書の需要が高い市場に目を付けた。
- ターゲット読者: 自己啓発や心理学に興味を持つ20~40代のビジネスパーソン。
構成のポイント
- 対話形式: 哲人と青年の対話形式を採用し、難解な心理学の概念を分かりやすく伝える構成。
- 章立て: 各章ごとに具体的な問題提起と解決策を明示し、読者が自己の課題に直結させやすい内容。
- 実践的な内容: 理論だけでなく、実生活にどう応用するかを具体的に説明。
『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』 – デイヴィッド・S・キダー、ノア・D・オッペンハイム
企画のポイント
- テーマ設定: 「幅広い教養を毎日少しずつ学べる」
- 教養を高めたいというニーズに応え、1日1ページという手軽さを強調。
- 市場調査: 教養書や自己啓発書の市場で、手軽に読める形式の本が人気であることを確認。
- ターゲット読者: 教養を深めたいが、忙しくて時間が取れないビジネスパーソンや学生。
構成のポイント
- 日付ごとのページ構成: 365日の形式で1日1ページ、テーマを変えて教養を学べるように構成。
- 多様なテーマ: 歴史、科学、文学、哲学など多岐にわたるテーマをカバーし、飽きさせない工夫。
- 短くて濃い内容: 各ページが短いが、要点を押さえた濃密な情報を提供。
『多動力』 – 堀江貴文
企画のポイント
- テーマ設定: 「これからの時代に必要な多様なスキルと行動力」
- 一つのスキルに固執せず、多くのことに挑戦することの重要性を強調。
- 市場調査: 変化の激しい現代社会において、固定観念にとらわれない生き方が求められているというトレンドを捉えた。
- ターゲット読者: 20~40代の起業家やクリエイティブな仕事に従事する人々。
構成のポイント
- 具体例の多用: 堀江氏自身の経験談や具体的な成功事例を多く取り入れ、説得力を高めた。
- シンプルで明快な章立て: 各章ごとに一つのメッセージを明確に伝える構成。
- 行動を促すスタイル: 読者がすぐに行動に移せるような具体的なアドバイスやメソッドを提示。
以上の例は、企画段階での市場調査やターゲット読者の明確化、テーマの選定において非常に優れています。また、構成においても読者にとってわかりやすく、実践的な内容を提供する工夫が随所に見られます。これがヒットの要因となっています。
最後に・ご提案
全部自分でするのも可能
以上を全部自分ですれば、そしてそれが的を射た内容であればあなたの原稿はおそらくかなりの人に読んでもらえるでしょう。
しかし以上を、「的を射た」内容で考え、作り上げるには相当な経験が必要です。ここで失敗すると、せっかくのあなたの有意義で面白い本が台無しになてしまう危険性もあります。
もしも自信がなければプロの力を借りればOK
自分で、そういう可能性があると思われたら、私たちクリエイティブ集団COW ANT CATにご相談下さい。
私たちは本と出版のプロフェッショナルです。そして同時に自ら著者として本も出しており、著者様の気持ちもよく理解しています。
ですから、漠然としたアイデアや考えでも結構ですから、ご相談いただければ、あなたの考え、アイデア、物語を最も面白い、興味をそそると感じる読者に向けた企画に仕立て、その上でその内容が頭に入りやすく、早く次のページを読みたい、というような構成にします。
もちろん、ご相談だけでも結構です。私たちであればこのようなことができる、ということを例示とともにご提案します。
また費用も、これだけプロフェッショナルな知見を駆使しても企画料10万円と実費だけです。
企画と構成は自分で考える、と言いうことであればAmazonへの入稿料と表紙作成の費用などで5万円だけで、出版することができます。
ご相談先
ですので、まずはお気軽にご相談ください。ご相談先は ここを クリックいただければ問い合わせフォームが出ます。
またもっと詳しく私たちのサポートの内容をお知りになりたい方は こちら のページをご覧ください。
いずれにしても、どんなに面白い内容でも企画と構成がしっかりしていないと、「内容は面白いのに順番がぐちゃぐちゃなので訳が分からない友だちの話」と同じです。ですからこの部分は、しっかりと、必要ならプロの力を借りて作りましょう。